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貢献値―攻撃側と守備側のバランスについて

 

貢献値は、チームの各局面におけるチームの勝利確率の変動です。

チームの勝利確率の変動が生じた場合には、この変動を評価しようとするとき、必ず攻撃側と守備側、二つの側面から評価が必要になります。

例えば、1回表無死無走者(つまりプレーボールの状態)のチームの勝利確率は50%、先頭バッターがヒットを打って、無死1塁になった場合、チームの勝利確率は53.4%であるとして、チームの勝利確率は「攻撃側から言えば、」3.4%「増加した」ことになります。一方、この場合、「守備側から言えば、」チームの勝利確率は3.4%「減少した」ことになります。

このように、あるチームの勝利確率が変動した場合には、「相手チームの勝利確率には反対の変動」が生じていることに注意が必要です。両者は、財務諸表のように、必ずバランスします。

 

次に、上記の変動分は、誰の功績(又は責任)か?という問題が生じます。例えば、上記の場合、先頭打者がクリーンヒットを打った場合には、3.4%のプラスを生じさせたのは、当該先頭打者で間違いありません。しかし、例えば、簡単な内野ゴロを3塁手がエラーした場合はどうでしょうか?

この場合、「3塁手にマイナスをつければ良い、打者の功績はナシ!!」と考えられる方がいるのではないでしょうか。しかし、そう考えてはいけません。先ほど述べたように、勝利確率の変動の評価は、攻撃チームと守備チームの双方で評価するものです。したがって、「3塁手にマイナスをつける」という発想は、「守備側のマイナスは、誰の責任か?」という配分の問題であって、「攻撃側のプラスは誰の功績か?」という配分の問題とは関係が無いのです。

結局、エラーで出塁の場合でも、プラス分は打者(走者)の貢献と考えざるを得ません。ラッキーといえばラッキーですが、ラッキーなヒットだって沢山ありますし、テニスのようなスポーツだって、相手がミスればありがたく自分のポイントになりますし、これは、打者(走者)の貢献と考えましょう。

一方、守備側のマイナスの配分については、上記のようなケースでは、3塁手の責任ということになります。(厳密に言えば、プロなら100%捌ける打球であった場合には、ということです。)この場合、投手には責任がありませんので、マイナスはつきません。戻って、先頭打者がクリーンヒットをした場合には、これは投手のマイナスとします。

 

(難しい論点として、捕手の責任は無いのか?という点があります。これは、インサイドワークの重要性に鑑みれば、勿論捕手にも責任があると考えるべきでしょう。しかし、それでは、捕手と投手と責任の配分をどのように考えるのか?という点については、妙案がありません。同様の問題点は、走塁の攻撃側における配分や、盗塁刺、捕殺、難しい打球、ファインプレー等の守備側の配分についても同様の問題が生じます。)

 

「貢献値とは?」の項で触れましたが、チームが勝利した場合、当該チームの各プレーヤーの貢献値の合計は、プラス50%になります。これは、勿論、投手も打者も合計した数字です。

一方、敗北したチームの各プレーヤーの貢献値の合計は、マイナス50%になります。これは、勿論、投手も打者も合計した数字です。

さて、上記の通り、攻撃側と守備側の貢献値の合計はバランスする、つまり絶対値が同じで、プラスマイナスが逆、ということになります。仮に勝ったチームの攻撃側(主に打者)の貢献をVa、守備側(主に投手)の貢献をVdとした場合、Va+Vd=50%ということになります。

この場合、負けたチームの攻撃側の貢献Da-Vdとなり、守備側の貢献Dd-Vaになります。勿論、Da+Dd=-(Va+Vd)=-50%が成立します。

すると、勝ったチームの攻撃側の貢献Vaと負けたチームの攻撃側の貢献Daの差は、Va-Da=Va-(-Vd)=Va+Vd=50%になります。つまり、勝ったチームの攻撃側(主に打者)の貢献値の合計は、必ず負けたチームの攻撃側(主に打者)の貢献値より50%高いことになります。同様に、勝ったチームの防御側(主に投手)の貢献値の合計は、必ず負けたチームの防御側(主に投手)の貢献値より50%高いことになります。

このことは、例えば10のような投手戦であれば、勝ったチームの防御側の貢献値の合計がプラス80%のような場合には、負けたチームの防御側の貢献値もマイナスではなく、プラス30%になることを意味します。このような場合、たとえ勝った場合にも、1点に抑えられた勝ったチームの攻撃側の貢献は、マイナス30%ということになります。