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貢献率―選手の能力値

 

「貢献値の弱点」の項でも触れましたが、「貢献値」は、選手がチームの勝利に貢献した度合いを示すものですが、当該選手にどれくらいチャンスが回ってきたか、また、どれくらい重要な場面で起用されたか、という事情によって数値が影響を受けることになります。このような観点からは、例えば打者における打点とよく似た性質を持っていると言えます。

(ただし、打点は稼げば減りませんが、貢献値は、チャンスに打たないとどんどん下がります。したがって、チャンスに打席が回ることが必ずしも有利であるとはいえません。しかし、少なくとも、プラスの貢献が安定的にマイナスの貢献を上回るような優秀な選手においては、どれだけ重要な場面に回ってきたか、という偶然の事情に、貢献値の値は左右されることになります。)

 

さて、前項で、「局面値」を紹介しました。これは、チームの勝利に与える各局面の「重要性」を、プレーボール直後の打席を基準として測ったものです。

 

ここで、局面値を利用した概念として、「貢献値/局面値」を「貢献率」と呼んでいます。局面値の累計は、勝率案における「投球回数」や「打席数」のようなものである、と説明しました。ここで、貢献率は、分母に局面値を持ってくることで、

@ 打席・投球回数の多い・少ないは勿論のこと、

A        チャンス・ピンチの回った回数の多い・少ないという事情

にも影響を受けない数値になります。

 

ただし、チャンスに打ったり、ピンチを抑えたりした選手は、「複数打席分活躍したようなもの」ですから、このようなチャンスに強いか否かは影響を受ける基準になります。

 

 このように、貢献率は、出場機会や出場機会の重要性といった、選手によりコントロールできない事情には影響を受けないが、打率・長打力・防御率のような数字は勿論のこと、チャンスに強いか否かという、選手によりコントロールできる事情は反映される「能力値」であると言えます。

 

 貢献率については、まだ十分な指標のサンプルがありませんが、貢献値は標準的な選手においてはゼロに近くなるので、貢献率も0%が標準となります。およそ、シーズンを通して、通常レベルのレギュラー選手は貢献率はマイナス0.2%から、プラス0.2%程度ではないでしょうか。

また、控え選手や2軍と1軍を往復しているような選手は、全体としてマイナス0.5%からマイナス1.0%程度と考えられます。

MVPをとるような選手は、シーズンを通してプラス0.5%程度が基準になるかと考えられます。

 

局面値は、打順や、投手の使われ方により、年間の累計数がおよそ計算できます。例えば、1番バッターは局面値累計が700程度、クリーンアップは900程度が一般と考えられます。したがって、シーズンを通して、貢献率が0.3%の選手をクリーンアップに置けば、プラス270%、つまり、貯金5.4が計算できる、という計算になります。

 

貢献値はMVPや給料の査定、つまり「事後的な査定」に有効なのですが、貢献率は選手の能力値ですから、むしろ将来のチーム構成を決定するなどの場面で有意義な指標であると考えられます。

 

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