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勝率案とは??

 

勝率案は、それぞれのプレーがチームの勝利にどの程度結びついているかがを数値で示すものです。

試合が終わって、その日のヒーローがお立ち台でインタビューを受けますよね。完封して、自分で決勝点をたたき出したような選手がいれば、これはもう、お立ち台に上がる資格十分です。

しかし、たまに2人上がることもありますよね?それに、本当にこの人がヒーローか?と疑問がある場合もあります。

例えば、古い話になりますが、2000年9月24日、巨人が中日を破ってリーグ優勝したことがあります。9回表まで4点リードをされていた巨人が、9回裏1死満塁から江藤が満塁ホームランで同点、続く二岡がサヨナラホームランで逆転勝利でした。

その日のヒーローインタビューは勿論、江藤と二岡です。インタビューの状況は以下のようなものです。インタビュアー「二岡さん、決めましたね!」、二岡「やりましたー。」、江藤「決めたのは二岡ですが、追いついたのは僕のホームランです。。。」(^ω^;)分かってるって、江藤。そんな風に言わなくても・・・。

そこで、皆さんは、江藤の言い分をどう思われますか?江藤は、言外に、「本当のヒーローは俺だ!」と言ってます。しかし、インタビュアーのように、「決めたのは二岡」という考えも一理あります。それぞれのホームランの価値って、本当のところ、どんなものなんでしょう?

 

勝率案では、次のように考えます。

9回裏1死満塁で、4点負けている時点では、普通巨人の勝つ可能性は10%くらいのもんだろう。江藤のホームランで、同点、9回裏1死無走者になったが、この時点では巨人の勝つ可能性は60%くらいかな。二岡のホームランで、巨人の勝つ可能性は100%だ。つまり、」

「江藤のホームランは巨人の勝つ可能性を50%引き上げたことになる。一方、二岡のホームランは40%引き上げている。これを比較すれば、ちょっと、江藤のホームランの方が価値があるかな。」

上記のような考察によれば、江藤の「決めたのは二岡ですが、追いついたのは僕のホームランです。」という主張も合理性があります。しかし勿論、4点取ったんだから、4倍エライとは言えないですね。

 

勝率案は、このような「各局面におけるチームの勝率」を数的モデルで解析し、算出しています。各局面のチームの勝率は、概ね、「1試合における平均的なチーム得点」を設定すれば、これに応じて決定されます。

上のケースで言えば、仮に1試合得点の平均的な水準を4.96点(今年のセ・パ両リーグの平均的な水準とほぼ同じ)とすると、9回裏1死満塁で、4点負けている時点では、巨人の勝つ可能性は11.5%、同点、9回裏1死無走者の時点では巨人の勝つ可能性は58.6%、となり、江藤の貢献は47.1%、二岡の貢献は41.4%になります。

 

勝率案では、チームの各局面における勝利の確率を計算できますから、打者の評価だけではなく、投手の評価も出来ますし、盗塁やエラーの評価も勿論出来ます。また、これらは横並びの、比較可能な数字ですので、MVPの決定や、給料の査定といった選手の評価において、恣意性や主観が全く入らない優れた基準です。

また、「エースと4番はどちらがエライ?」というような古典的な問いにも応えてくれますし、また、「バントは本当に得?」とか、「敬遠すべき?」などの微妙な問題も、明快に理解できます。

 

以下では、上記の内、いくつかの興味深いトピックスについて触れてみたいと思います。