| 盗塁数について |
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巨人の仁志選手は、今シーズン1つ盗塁を成功させていますが、なんと6回も失敗しています。 |
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おそらく、巨人の戦術の方針として、仁志には積極的に盗塁をさせよう、ということなのでしょうが、 |
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いくらなんでも失敗が多すぎます。 |
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盗塁の効果は、単に次の塁を獲得する意義があるだけではなく、投手の注意を引き付け、 |
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打者への集中力をそぐという効果もあります。しかし、その中心的な役割は、やはり前者なのではないでしょうか。 |
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さて、盗塁はどの程度の効果があるのかについては、勝利貢献値で容易に知ることが出来ます。 |
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また、盗塁失敗がどれくらい損なのかも同様に、勝利貢献値で知ることが出来るのは、皆さんご承知のとおりだと思います。 |
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それでは、上記の情報を利用して、盗塁はどの程度の成功率であれば敢行すべきか?について検討します。 |
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盗塁前のチームの勝利可能性をA、 |
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盗塁成功後のチームの勝利可能性をB、 |
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盗塁失敗後のチームの勝利可能性をCとします。 |
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(盗塁成功の場合の勝利貢献値⇒B-A)、 |
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(盗塁失敗の場合の勝利貢献値⇒C-A) |
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盗塁成功率をαとすると、 |
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α×B+(1-α)×C>Aであることが、盗塁をすることの条件です。 |
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つまり、α×(B-C)>-(C-A) |
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⇒ α>-(C-A)/(B-C)です。 この最小のαを「限界成功率=αl」とします。 |
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(ケース1) 例として、1回表無死1塁のケースを考えましょう。 |
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A |
= |
53.4% |
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B |
= |
55.1% |
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C |
= |
47.9% |
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成功貢献値 |
= |
1.7% |
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失敗貢献値 |
= |
-5.5% |
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限界成功率 |
= |
76.4% |
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つまり、この場合は。「最低76.4%は成功」が期待できない限り、盗塁すべきではない、ということになります。 |
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(ケース2) 次に、9回裏同点、無死1塁のケースを考えましょう。 |
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A |
= |
71.3% |
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B |
= |
78.7% |
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C |
= |
58.6% |
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成功貢献値 |
= |
7.4% |
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失敗貢献値 |
= |
-12.7% |
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限界成功率 |
= |
63.2% |
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つまり、この場合は。「最低63.2%は成功」が期待できない限り、盗塁すべきではない、ということになります。 |
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ケース2はケース1に比べて、限界成功率が随分下がっています。これは、9回裏同点のケースは、 |
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次の1点の価値が、2点目の価値より高い(というか、1点取りさえすればよい)ことから、リスクを犯す価値がある、 |
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という実感に合うものだと考えられます。 |
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(ケース3) 今度は、1回表無死2塁のケースを考えましょう。 |
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A |
= |
55.1% |
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B |
= |
56.9% |
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C |
= |
47.9% |
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成功貢献値 |
= |
1.8% |
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失敗貢献値 |
= |
-7.2% |
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限界成功率 |
= |
80.0% |
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この場合、3盗は相当自信がある場合に限る、と考えるべきですね。 |
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(ケース3) 今度は、9回裏同点、1死2塁のケースを考えましょう。 |
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A |
= |
69.9% |
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B |
= |
79.0% |
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C |
= |
53.8% |
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成功貢献値 |
= |
9.1% |
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失敗貢献値 |
= |
-16.1% |
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限界成功率 |
= |
63.9% |
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この場合、3盗は勝負してもよい、という場面です。 |
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普通、盗塁は負けている場面では損と言われてますね。それを検証してみましょう。 |
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(ケース5) 例として、1回裏3点ビハインド無死1塁のケースを考えましょう。 |
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A |
= |
31.6% |
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B |
= |
33.1% |
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C |
= |
26.1% |
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成功貢献値 |
= |
1.5% |
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失敗貢献値 |
= |
-5.5% |
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限界成功率 |
= |
78.6% |
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案外と、落ちませんね。リスクを犯さないと追いつけないってことですか。 |
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勝っている場面ではどうでしょうか。それを検証してみましょう。 |
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(ケース6) 例として、1回裏3点リード無死1塁のケースを考えましょう。 |
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A |
= |
81.3% |
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B |
= |
82.4% |
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C |
= |
78.1% |
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成功貢献値 |
= |
1.1% |
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失敗貢献値 |
= |
-3.2% |
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限界成功率 |
= |
74.4% |
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勝っている方が、比較的気軽にトライできる、ということでしょうか。 |
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(ケース7) 例として、9回表3点ビハインド無死1塁のケースを考えましょう。 |
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A |
= |
8.0% |
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B |
= |
8.5% |
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C |
= |
1.7% |
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成功貢献値 |
= |
0.5% |
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失敗貢献値 |
= |
-6.3% |
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限界成功率 |
= |
92.6% |
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これは、相当リスキーです。 |
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勝っている場面ではどうでしょうか。それを検証してみましょう。 |
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(ケース8) 例として、9回表3点リード無死1塁のケースを考えましょう。 |
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A |
= |
96.6% |
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B |
= |
97.0% |
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C |
= |
95.6% |
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成功貢献値 |
= |
0.4% |
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失敗貢献値 |
= |
-1.0% |
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限界成功率 |
= |
71.4% |
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やっても良いし、有効だけど、あんまりいじめるなと言う感じですね。 |
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以上のような検討にかんがみれば、有効な場面では6割以上、普通の場面では7割5分くらいの成功率を目処にすべきでしょうか。 |
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リードされている場面では、慎重に行う必要がありますね。 |
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○ 貢献を最大にするために。 |
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上記のような検討で、基本的に問題ないと考えられますが、盗塁の性質として、次のような興味深い性質があります。 |
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足の遅い、選手でも、突然盗塁すればノーマークで成功するのではないか? |
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事実、現在の落合監督が晩年盗塁して、楽々成功しているのを一度見かけました。 |
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また、以下に盗塁のうまい選手でも、警戒されれば成功は容易ではありません。しかし、頻繁に盗塁を試みれば当然警戒されます。 |
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このように、盗塁成功率と盗塁を試みる頻度は、トレードオフの関係にあると考えるべきです。 |
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仮に年間の試盗塁数と、成功率の関係をグラフにすれば、下のようになると考えられます。 |
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成功率 |
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試盗塁数 |
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さて、試みに、上記の関係を仮に以下のような式で表わすとします。 |
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盗塁成功率 |
= |
100%-5%×(試盗塁数)^0.5 |
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これは、盗塁を年間に1回しか試みなければ成功率は95%だが、9回試みれば85%、36回試みれば70%・・・ということです。 |
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さて、上記の1回表、無死1塁の(ケース1)を参考に、この選手は1年間に何回盗塁を試みればよいのでしょうか? |
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(ケース1)では限界成功率は76.4%でした。上の式のような選手が76.4%盗塁を成功させるためには、 |
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年間22回の盗塁に留めておくべきです(((100%-76.4%)/5%)^2=22.3)。 |
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なお、成功率が限界成功率になる試盗塁数を、限界盗塁数(=tl)と呼ぶことにします。 |
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それでは、この選手は年間、限界盗塁数まで、つまり22回盗塁を試みるのが良いのでしょうか? |
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答は否です。限界盗塁成功率では、盗塁を敢行した場合と、盗塁しなかった場合のチームの勝利可能性が同じですから、 |
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盗塁成功率が限界性効率の場合には、盗塁してもしなくても同じ、と言うことです。 |
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それよりは、多少回数を減らしても、成功率を限界成功率より高くした方が、チームの勝利に貢献できます。 |
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では、上記のようなケースの場合、何回くらい盗塁すれば良いでしょうか。 |
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チームへの貢献の合計 |
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=((成功後勝利確率)×(盗塁成功率)+(失敗後勝利確率)×(2−盗塁成功率)-盗塁前勝利確率)×試盗塁数 |
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を最大にすればよい、ということになります。 |
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盗塁成功率 |
= |
100%-5%×(試盗塁数)^0.5ですから、チームへの貢献の合計の式を試盗塁数で微分すると、 |
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(100%-7.5%(試盗塁数)^0.5)(成功後勝利確率-失敗後勝利確率)-(盗塁前勝利確率-失敗後勝利確率)・・・@となります。 |
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チームの貢献の合計を最大にするのは、上記@式がゼロの時ですから、このときの試盗塁数は、 |
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試盗塁数=((100%-(盗塁前勝利確率-失敗後勝利確率)/(成功後勝利確率-失敗後勝利確率))/7.5%)^2 |
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となります。この試盗塁数を最大貢献盗塁数(=tmax)、このときの盗塁成功率を最大貢献成功率(=αmax)と呼びます。 |
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ケース1についてこれを求めると、 |
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最大貢献盗塁数は9.9回、最大貢献成功率84.3%になります。 |
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したがって、ケース1のような状況では、限界盗塁数まで盗塁を試みるのではなく、最大貢献盗塁数の10回程度に留め、 |
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成功率を高めにしておいた方がよい、ということになります。 |
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(補論)もっと一般的な分析を行ってみます。 |
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文字を整理しましょう。 |
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盗塁前勝利確率 |
= |
A |
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成功後勝利確率 |
= |
B |
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失敗後勝利確率 |
= |
C |
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盗塁成功率 |
= |
α |
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試盗塁数 |
= |
t |
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限界成功率 |
= |
αl |
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限界盗塁数 |
= |
tl |
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最大貢献盗塁数 |
= |
tmax |
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最大貢献成功率 |
= |
αmax |
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貢献合計 |
= |
D |
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@ |
αl=(A-C)/(B-C) |
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A |
α=1-p(t^q)とします。←(上記のケースではp=5%、q=0.5でした。) |
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B |
Aから、t=((1-α)/p)^(1/q) |
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C |
D=(αB+(1-α)C-A)t=(α(B-C)-(A-C))t |
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D |
Dをtで微分 |
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⇒ D'=(α'(B-C)t+(α(B-C)-(A-C) |
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=-pq(t^(q-1))(B-C)t+((1-p(t^q))(B-C)-(A-C)) |
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=-pq(t^q)(B-C)+((1-p(t^q))(B-C)-(A-C)) |
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=((1-p(1+q)(t^q))(B-C)-(A-C)) |
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tmaxは、D'を0にするtだから、 |
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tmax=[{1-((A-C)/(B-C))}/{p(1+q)}]^(1/q) |
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=[(1-αl)/{p(1+q)}]^(1/q) |
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E |
tl=((1-αl)/p)^(1/q)なので、 |
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tmax={1/(1+q)}^(1/q)tl⇒(上記のケースではq=0.5なので、tmax=4/9×tlでした。) |
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したがって、tlとtmaxの関係は、pの値に関わり無く、qの値により決まり、qは0<q<1の数値であるが、 |
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q=0.1のとき、tmax=0.386tl、q=0.5のとき、tmax=0.444tl、q=1のときtmax=0.5tlとなる。 |
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つまり、このような条件では、最大貢献盗塁数は限界盗塁数の4割程度、ということになる。 |
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いずれにしても、上記の検討で主張したかったことは、最大貢献盗塁数は限界盗塁数より少なく、 |
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この場合、最大貢献成功率は限界成功率より高い、ということです。 |
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つまり、各選手が合理的に盗塁を試み、最大の貢献をチームに与えようとする場合は、成功率は、 |
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限界成功率よりやや高い成功率を収めるようにするはずなのです。 |
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(実際の検証) |
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実際の盗塁の成功率は、どんなもんなんでしょうか。 |
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こじきろさんのデータによれば、過去12年の日本のプロ野球の盗塁に関する統計は、 |
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成功 |
⇒ |
11109 |
個 |
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失敗 |
⇒ |
5607 |
個 |
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成功率 |
⇒ |
66.5% |
のようです。 |
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これは、上記の検討にかんがみれば、最大貢献成功率としては勿論低いし、限界成功率としても、やや低そうです。 |
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この原因はいくつか考えられます。 |
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一つは先述したように、盗塁の価値は、先の塁を獲得するに留まらないこと。 |
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例えば、走者に注意をひきつけることで、投手の打者への集中を乱す効果もあることがあります。 |
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したがって、合理的な水準よりも積極的に盗塁を試みる、ということが考えられます。 |
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次に、盗塁死と評価されるものの中には、ヒットエンドランやカウント2-3からの打者の空振りのケースが考えられます。 |
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このようなケースでは、打者が少なくとも空振りをしないことを前提にした戦術であることから、通常の盗塁のケースに比し、 |
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盗塁死する確率が高いです。 |
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これが、見かけ上の盗塁成功率を引き下げていることが考えられます。 |
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しかし、最後の原因は「錯覚」です。一つ先の塁を獲得する貢献と、アウトになるマイナスを、合理的に判断できているのでしょうか? |
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まず、我々が野球観戦するときもそうですが、一つ先の塁を獲得する貢献を過大評価しているきらいがあります。 |
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これは、バントが非常によく採用される作戦であることとも関連がありそうです。 |
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次に、盗塁のタイトルに失敗数が関係ないように、盗塁は成功数の累積値で評価される傾向が強いようです。 |
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そこで、つい、チームのためよりも、自分の成績のため、過剰に走りすぎてしまう心理があるかもしれません。 |
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以上のような事情により、成功率がこのような水準になっているのでしょう。 |
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いずれにしても、盗塁成功率が70%以下の選手は、要反省だと考えられます。 |
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